「よい食材を選ぶところから料理はすでに始まっている」、
私が仕事を通して出会うフランスの偉大なシェフたちの多くが語ることです。
よい食材がなければ、美味しい料理も成り立たないわけです。
さらに彼らは「ディテールの積み重ねが料理である」とも言います。
これくらい、と思ってしまいがちな小さな1工程にこだわるからこそ、できあがった料理には人を感動させる力がこもるのだと。
昭和の時代から料理人の仕立屋さんとして、日本橋でコックコートやコック帽を作り続けてこられた傳馬屋さんのお仕事は、不思議と料理人の仕事へのこだわりと通じるところがあります。ものづくりに対する情熱、アルティザン(職人)魂と呼んだらよいのでしょうか。大規模な一括生産ではなく、常に身に付ける側の気持ちに立った手作りの姿勢を大切にされていることが、多くのシェフたちに支持される理由ではないでしょうか。
料理の世界、調理の現場をめぐる環境はここ20年の間に飛躍的に変化しています。食のグローバル化は進み、時間や距離を超えて、世界中の料理人たちが同じ時代の空気を共有していると言ってもよいでしょう。
過酷な環境、閉ざされた現場だった厨房もオープンキッチンとして開かれた空間となり、料理人とお客さまの距離が近くなりました。ここまで料理人がメディアに登場する時代がかつてあったでしょうか。
これからのコックコートに求められる要素は、快適に仕事に集中できることはもちろん、料理人が自分の肌のように自然に纏い、自身を人の前に立たせることではないでしょうか。
傳馬屋さんはそんなニーズにきちっと応えてらっしゃる。
それが私もお客さまに傳馬屋さんのコックコートをお勧めしたい理由です。